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豊中 相続を発表

足回りについては別のモデルからの流用や共通化はない。
それだけに、騒音・振動についても良くしようと追求していけば、大きな制約なしに高いレベルに到達することが可能だった。 FF基調の一・五ボックスという構成のなかで、スタッフがもっとも留意したのはNV性能、すなわち騒音・振動の性能であった。
これまでの第三センターの主力製品であった貨物系のワゴンでは、過去においてはそれほど真剣に検討されなかった課題ということができる。 乗用車なみの快適性を求めていくということは、ただ喪主を広くするだけではかなえられない。
静粛で乗っていて疲労感のないクルマであるべきだ。 ボディ設計を委託されたT車体は、イプサムの騒音レベルを中級乗用車なみにすることを目標に掲げ、細部にいたるまでその構造を音と振動を伝えにくいものにしていった。

尾間は苦心のほどをつざのように述べている。 「乗用車として恥ずかしくない騒音・振動レベルにするには、小手先であとからやってもなかなか効果が上がりません。
イプサムの場合には外観のデザインが固まった段階から、試作車をつくって風洞実験で細かい部分の音対策を慎重に進めてきました。 ドアミラ-、ワイパー、サイドパネルなどの風切り音対策が中心ですが、そればかりでなくエンジンルームと室内との隔壁は、二重構造としてその聞に発泡材を入れるサンドイッチパネルを採川しています。
もちろん、構造而からも振動を抑えるために、隔壁には二本のリンフォ-スメント(骨材)を入れて強化しています。 エンジン音が室内に伝わってくるのは、ごく小さな貫通孔があっても意外なほど悪くなってしまいますから、貫通孔の数を最低限度まで少なくしていますが、これは基本設計の段階から考えていかなければならないものです。
どうしても貫通させなくてはならない部分には、シ-リングをしっかりさせていることは当然ですが」エンジン振動の対策としては、すこしコストは高くなるが液封式のマウントを採用している。 また、エアクリーナーを大宍口量のものとして職人音を低くすることや、排気系ではアイドリング時の振動を伝えにくくさせるために、排気管とエキグ-ストマニホールドとの接合部には、高級な乗用車では常識となっているボ-ルジョイン卜・タイプのものを採則したのも評価してほしいところのようだ。
「振動の大部分は足回りや駆動系から入ってきます。 振動がボディに伝えられる部分のことを着力点といいますが、その部住をどこにしたら最良の結果が得られるか?は、構成部品ごとに違いまずから、コンポ-ネンツごとに目標を決めて、造りこみをやっていく必要があります。
そのためにはストーリーづけといっていますが、何がどう作用したらどのような振動・騒音になるか?を充分に検討して、それぞれの部分についてコンピューターでFどM解析をやりました」と尾聞の苦心談を披露してくれた。 「それから大切なことは、コンポーネンツの配置ですね。
たとえば排気管ひとつ守とっても、最初から排気系をまっすぐに通すようにデザインすれば、メインマウントを一点支持にすることが可能なんです。 そうすることで、非常に振動・騒音の特性を制御することがやりやすくなるわけです」というのは、企画段階、で中核的な存在、であったTの言葉だ。
Tの開発システムのなかで、商品性を高めるのに大きな役割を果たしてきたのが商品監査室である。 監査とは何かいかめしい雰囲気が漂うが、ここはかつては商品実験といっていた部署であり、つねにユーザーの立場に立って、開発中のクルマのあらゆる性能について検討を加えている。
そして、デ-タには現われにくい感性領域にまで踏み込んでテストを繰り返し、その結果から助言を与えている。 それだけでなく、この部署は製作部門を抱えているから、みすからも試作したものを提案することができるし、ちょっとした改良でよい効果守生むものは設計部門まで図面を回してっくり直さずに、みずから提案していくということもできるのが強みである。
K自身、製品企画の主査になるまでFF系の乗用車担当の商品監査室にいただけに、イプサムの開発に当たってもその重要性ぞ強く認識している。 監査室の担当員(係長職)として、評価全体のまとめ役をしているZの話。

「いままでの話でもわかるように、とても欲ばったクルマなので、そこにどのような魅力づけをすべきかをずいぶん考えたつもりです。 キャビン内の小物入れを充実させたことや、話題のシートアレンジメン卜ですが、果たしてこのクルマにふさわしいものか、どうかを、細かいところまで検討してきました。
とくに若い主婦や子どもさんに親しんでもらえるようにと、通常以上にパネラ-の声をよく聞いたつもりです。 たとえば、カップホルダーを使うと灰皿が使えなくなり、逆に灰皿を使おうとするとカップホルダーが邪魔になるというクルマが多いのですが、それでは不便だということでカップホルダーを二個にして、片側は灰皿を引き出したときでも使えるようにするなど、細かいことかも知れませんが使ってみてその便利さに気がつくようなところが多いのが自慢で。
同じく監査室のMは、女性パネラーから意見を聞き出すために、試作車で会社の構内をずいぶん走ってもらったという。 「実は、私の家にエミ-ナがあるんですが女房は運転したがらないんですよ。
なぜそうなのか?そのことを反省点にして考えてみました。 すると、ボンネットの先端が見えないのが嫌らしいんですね。
そこで、女性てもボンネットが見えるようなシ-トの高さとか、ミラ-の大きさなどを含めてボディの細部に関してのっくり込みを提案してきました。 デザイン段階の想定では夫婦と子ども二人を標準にしていましたが、なにかの時には六人が座れてしかも荷物も積めるように途中からシ-トアレンジを変更したりして」Kは商品監査室の意見を大切にしながら、機にらみではM自動車のシヤリオあたりを当両の競争相手に定めていた。

最初にも申し上げたように、パッケージングから始まったコンセプトでしたが、デザインが確定する前から、搭載するエンジンや足回りの機構は決めてありました。 そこで、アンダーボディだけの試作モデルをつくり、それで慕未的な項目のチェックをしていきました。
それと、ニれは最近のT自動車ではとくに推進していることですが、開発の同期化といいまして、設計と実験そして工場の生産部門への対応を、時期をそろえて同時に進行させることを積極的に進めております。 開発が進行した段階で試作の変更をやたらにやったり、生産に掛かってからの手直しをすることは、時間的にも経済的にも無駄が大きいので排除しようということなんです。
それには、図面の精度を上げていくことが第一ですが、もうひとつは工場側て製造がやりやすい設計を考えていくことになるわけですが、本絡的に同期化に積極的に取り組んだのは初めての体験でした」とKは語っている。 ニュ-ジャンルを目指した一人三役のクルマ開発に掛ける経費も、バブル崩壊以後とくに厳しく管理されるようになった。
だが、反画て安全対策を充実させることは会社の最高方針、であった。 衝突にたいするボディの変形を抑える構造は、社内で策定した指針によっている。

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